東北ジャーナル2001年2月号
メディカルチェック

胸やけ・げっぷ・酸っぱい水


  今回は食道の話です。食べ物をゴクンと飲み込んで、ストンと胃に落ちるまでに通る管が食道です。
長さは約25センチメートルです。その食道に異変を生じると、つかえ感、胸やけ、げっぷ、酸っぱい水、などが症状として起きます。
心当たりはありませんか?
代表的な食道の病気は、食道がん、逆流性食道炎、マロリーワイス症候群、食道静脈瘤などです。

● 食道がん
  一番恐い病気です。
50歳以上の男性で喫煙者、大酒家、ウィスキーをストレートで呑む人に好発します。
食べ物がつかえ出してからでは遅いので、年に1回、胃ファイバー(胃カメラ)検査を受ければ、同時に食道も検査できます。
早期食道がんで発見できれば、外科手術や内視鏡下手術で治癒し、命を落とさなくてもすみます。

● 逆流性食道炎
  最近増えてきた病気です。
胸やけ、酸っぱい水です。悪性ではありませんが、放っておくと出血することがあります。
胃ファイバー検査で解りますし、よい薬が開発されていますので、内服治療で治ります。

● マロリーワイス症候群
  ちょっと聞き慣れない病名でしょう。
これは、飲酒などのあとに数回吐いているうちに、突然大量の血液を吐く病気です。
簡単に言えば、食道と胃の境界部が縦にナイフで切ったように裂けてしまう病気です。
これも胃ファイバー検査で解り、治癒できます。安静、点滴で治ります。
吐く癖(?)のある方は、要チェックの病気です。

● 食道静脈瘤
  ある意味ではがんよりも恐い病気です。
肝臓病(肝硬変)の方で、この病気を合併していると
突然大量の血を吐きます。
肝硬変の方は血液が固まりにくいですから、次々と出血します。
歌舞伎の先代・尾上辰之助さんが、この病気で命を落とされましたね。
しかし、今では胃ファイバーを使った治療で、血を止めて、静脈瘤を消滅させることができます。


  以上、食道関係の疾患を紹介しましたが、定期的な胃ファイバー検査が大事だということが、お解りでしょう。
年に1回といってもいつ検査したか、忘れてしまうことが多いですね。
そこでわたしは、『誕生月検診』をお勧めしています。
自分の誕生日を忘れる方はいないでしょう。
年に1回忘れずにできるというわけです。

  「先生は定期検査を受けているの?」ですって?
恥ずかしながら受けていません。
医者の不養生?
すみません。原稿書くのに忙しくて……。
  次回は胃(パートT)です。ご期待ください。