東北ジャーナル2001年4月号
メディカルチェック

胃がんに勝つ


  今回は胃がんのお話しです。

  脳卒中、心臓病、高血圧とともに、がんは日本人の三大死因の一つです。
がんはどうして恐いのでしょうか?
  それは、人間の正常な組織に侵入し、その機能を侵し、血管やリンパ管を通って全身に転移するからです。
そして全身をジワジワと侵食し機能不全に陥れ、機能停止へと向かわせるからなのです。

  がんに勝つには、現時点では『早期発見』、これにつきます。
胃がんの初期には特有の症状はありませんので、人間ドックや集団検診で検査を受け、発見するしか方法がありません。
胃レントゲン検査、胃内視鏡検査を毎回受けられている読者も
多いと思います。
早期に見つかれば、周囲組織への侵潤も弱く、転移もないのです。

  早期胃がんで発見されれば、外科手術を行い、悪いがん細胞を切除してしまいます。
そして、手術後5年間に再発がなければ、まずはひと安心で
「がんに勝ったぞー!」と叫びたくなります。
しかし、その後、
「がんには勝ったけど、やはり胃の一部や全部を取ったら体重も減るし、ときどき胸やけもするし、何とかならんかなあー?」
と思うようになることもあります。

  そこで、『早期胃がんの中でも、特に小さながんは、胃ファイバー(胃カメラ)でむしり取ってしまえば大丈夫でない?』という方法もあることを紹介します。
もちろん、この結論を出すには、蓄積された早期胃がんの外科手術成績、生存率、再発率を詳しく検討したうえでのことです。
せっかく内視鏡で取ったのに、再発したとか、合併症が起きたというのでは意味がありませんから、「内視鏡で取れるのか、外科手術が良いのか」は、先生方が一人ひとりの患者さんを徹底的に話し合い決めます。
内視鏡で早期胃がんが取れれば、早く退院できるし、退院後の社会復帰も早いので、魅力的ですよね。

  なにごとも早め早めが良いようです。
通常は年1回の胃ファイバー検査で十分ですが、潰瘍歴のある方やがん家系の方、喫煙歴が20年以上ある方、飲酒歴の長い方などは半年に一度の検査をお受けください。
もし、検査を受けて疑わしい病変が発見された時は、内視鏡下生検(胃ファイバーを使った細胞検査)が行われるでしょう。
その結果、心配ないのか、経過観察が必要か、治療が必要か、
判定されます。
結果が出るまでに大体1週間から10日間くらいかかります。
その間は非常に心配でしょうが、前向きに待つ(?)ことが大事です。
  もし、判定で何らかの治療が必要となっても、クヨクヨしてはいけません。
笑いは科学的に人間の免疫能力を向上させることが実証済みですから、明るく対応しましよう。

  「私はどうなんだ?」ですって?
そうですね。
私は大酒を呑んで胃がん細胞をやっつけちやいます。
その前にこっちが急性アルコール中毒で倒れちやいますね。

  冗談はさておき、繰り返しますが、
『定期検査・早期発見』がキーワードです。