東北ジャーナル2001年7月号
メディカルチェック

肝臓の話


  肝臓は人間の最大の臓器です。
身体に必要な蛋白を作り脂質代謝を行い、解毒作用を行います。
また肝臓は、沈黙の臓器ともいわれ、発症当初は全身倦怠感・微熱のみで、黄疸(皮膚の色が黄色に染まってくる病状)が出現して初めて肝臓の病気に気づくこともあります。

● 肝機能とは?
  では肝臓機能検査とは何を調べれば良いのでしょうか?
人間ドックや集団検診を受けたことのある方は、成績一覧表を見てください。
その中の血液検査に肝機能という項目があると思います。
GOT(AST)、GPT(ALT)、γ−GTPが三大肝機能検査です。
最近では、献血の際にもサービスで調べてもらえるようです。
その3項目が基準値内であれば、ひと安心です。

  問題なのはその基準値を超えている方です。
γ-GTPのみ高い、という方はまずご自身の酒量を考えてみてください。
週2日の休肝日(一滴も呑まないんですよ!)を作ってますか?
肝臓は自己再生修復能力がありますので、節酒・禁酒のみでだいぶ数値が改善することがあります。
酒を呑みながら、『γ-GTP値、中性脂肪値とゴルフのスコアを競い合い』という冗談があるようです。

● 精密検査の必要な方
  「わたしは酒も呑まないし、体重も標準だし(脂肪肝が否定できます)、定期的に薬も服用していない(薬剤性肝障害が否定できます)のに肝機能の数値が高い」
という方は慢性肝障害の疑いがあります。
  そうした方のなかで過去に輸血を受けたことのある方は、B型肝炎、C型肝炎の疑いがありますので医療機関をすぐ受診してください。
より詳しい血液検査や腹部超音波検査(お腹にゼリーを塗って調べる、痛くない検査です。妊娠中の方でもできます)を受ける必要があります。

● B型肝炎、C型肝炎
  最近、マスコミでC型肝炎関連の記事を目にします。
A型肝炎というのもありますが、慢性化、劇症化(短期間に症状が悪化し死亡率が高くなること)がほとんどありませんので、今回は解説を省きましょう。
  B型・C型は血液や体液を介して感染します。そのためにB・C型肝炎ウイルス発見前の輸血による感染、夫婦間感染、母子(妊娠時)感染、注射針(現在は使い捨てですが)による感染があります。
  B型肝炎はワクチンが開発されてますので、感染する機会があったとしても予防や治療を行うことができます。
一方、C型肝炎は発見されてまだ十数年しか経っておりませんので、現時点ではワクチンは開発されていません。
また、C型肝炎は肝硬変や肝臓がんに移行する率が高い(C型の方すべてが移行するのではありませんよ)といわれていますので、早期発見、定期検査が重要であります。
  しかし、C型肝炎についてもインターフェロンという薬剤が開発・改良されて新たな治療戦略も発表されていますので、C型肝炎と診断されても落ち込まずに、前向き、積極的に治療に参加してください。

  次回は肝硬変と肝臓がんのお話しです。