東北ジャーナル2001年8月号
メディカルチェック

肝硬変と肝臓がん


● 肝硬変とは?
  さまざまな肝臓病の進行した状態が肝硬変です。
文字通り肝臓が萎縮し硬くなり機能低下に陥った病態です。

● 肝硬変の自覚症状、診断
  初期には目立った症状はなく、全身倦怠感や食欲不振です。
病態が進行してくると、黄疸、腹水、意識障害(肝性脳症)、易出血症をきたします。
  血液検査で肝機能をチェックし、さらに必要時はB型肝炎・C型肝炎の検査をします。
血液検査で肝臓に異常が認められると判断された場合は、腹部超音波検査(エコー)、腹部CT検査を追加します。

● 肝硬変の合併症
  腹水、肝性脳症、食道静脈瘤が重大な合併症です。
  「最近、食欲がなく、食べてないのにお腹が出てきて、体重が増えている」という方は腹水の可能性があります。
腹部超音波検査を受けましょう。
  「肝臓病を持っている人が最近ボオーッとしている。なんとなく性格が変わってきた」というときは、肝性脳症が考えられます。
血中のアンモニアを測定して診断します。
  肝臓病を持っている方は年2回の胃ファイバースコープ(胃カメラ)を受ける必要があります。
吐血をきたす疾患のなかでも一番恐い食道静脈瘤が発生しているかどうかを見極めるためです。
食道静脈瘤破裂は多量の出血をきたし、出血性ショックで危険な状態に陥ります。
昔は破裂時に命を落していましたが、最近は、硬化療法といった内視鏡手術で静脈瘤を潰すこともできるようになりました。

● 肝硬変の治療
  前述の合併症をきたした場合は原則的に入院治療となりますが、病状がコントロールされている場合は、食事療法、薬物治療を中心とした外来治療で充分です。

● 肝臓がん
  日本では胃がん、肺がんに次いで多く、現在も増え続けています。
肝臓がんの90パーセントが肝硬変を伴っていると言われており、肝硬変の患者さんは、綿密な経過観察、定期検査が必要であります。
  具体的には、血液検査(腫瘍マーカー)、腹部超音波検査、腹部CT検査ですが、肝臓がんも早期に発見されて、肝機能が良好であれば手術療法が可能です。
  手術不能がんでもアルコール(エタノール)でがん細胞を壊したり、血管カテーテルを使ってがん細胞の栄養血管を塞ぐ、という新しい治療法が開発されており、手術以外の治療選択肢も増えてきています。

  ビールのおいしい季節ですが、週2回の休肝日をつくり、肝臓をいたわって夏を乗り切りましょう。