東北ジャーナル2001年10月号
メディカルチェック

膵臓のお話し


  昼間は汗ばむ陽気でも、朝晩はめっきり冷え込んできました。
冷えたビールより冷酒、熱燗が恋しくなる季節が近づいてます。
肝臓とともにお酒と関係の深い、膵臓のお話しをします。

膵臓とは?
  膵臓は解剖学的に胃の後側(背側)にあります。
インシュリンを分泌し血糖のコントロールを行ったり、たんぱく質、脂質、糖質を消化する多くの酵素を含んでいる膵液の分泌をします。
あまり目立ちませんが、大変重要な働きをしているのです。
膵臓病のなかでも代表的な急性膵炎と膵がんの解説をします。

急性膵炎
  突然発症する上腹部の激痛です。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍とは違う痛みで、どちらかというと急性胃炎に近い痛みです。
また胆石症の痛みは、"転げまわるような痛み"と表現されますが、膵炎の痛みは"えびのように体が2つ折りになる痛み"と表現されます。
原因は胆石などの胆道系疾患やアルコールの多飲、暴飲暴食です。
  このような症状や血液検査のアミラーゼ値測定などにより診断をつけます。
また、腹部超音波検査(エコー)や腹部CT検査も診断を付けるために有力な方法です。
  治療は、まず入院し絶対安静、点滴治療です。
痛みが治まったら流動食から粥食へとゆっくり食事を開始します。
経過が順調な場合でも、約20パーセントの方が早期ショックで命を落すことがあるので、油断できません。

膵臓がん
  50歳以上の高齢者に多く、男性が女性の2〜3倍の発生率です。
前述したように膵臓は胃の後側にありますので、「なんとなく胃のあたりが調子悪い」、「胃もたれする」などの症状があって胃の検査を行っても異常が無く、様子をみているうちに進行膵臓がんが見つかった、ということがあります。
  膵炎同様に腹部超音波検査や腹部CT検査が有用です。
またERP(内視鏡的逆行性膵管造影)という専門の精密検査もあります。
  治療の原則は手術ですが、早期発見が困難なこともあり、手術時にはすでに肝臓などに転移して切除不能に終わる場合が少なくありません。
そのような場合、パイパス手術を行うことになりますが、予後はあまり期待できません。

膵臓病の食事療法
  膵臓は消化器のなかでも、特に食事との関係がたいへん深い臓器です。
食事を取ることにより膵液の分泌が活発となり、症状が激しくなることがあるからです。
  急性期は脂肪の制限、たんぱく質の制限を行い、炭酸飲料、カフェイン、香辛料は禁止です。
ビタミン、ミネラルの不足に注意し薄味にします。
慢性期は糖質(砂糖、柑橘類以外の果実、芋類)を中心にビタミンB1の補充に努めます。
アルコール類は引き続き禁止です。

  お酒を続けられるように、上手に呑みたいものです。
ご希望の読者は、個別指導します。
費用はあなた持ちですよ(冗談)。