東北ジャーナル2001年3月号

胃潰瘍で胃が痛いよう
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今回は胃潰瘍のお話です。
胃はみぞおちにあります。
そこがシクシクと痛んだり、ジワーッと痛いときは胃潰瘍が疑われます。
特に空腹時(お腹がからっぽの時)に痛い時は、 胃潰瘍の疑いが大であります。
胃潰瘍とは胃の粘膜がえぐられる病気です。
口内炎のような白いもの(白苔)が胃の粘膜にできます。
痛いわけですね。
がんではありませんので、悪性の病気ではありませんが、 恐いのは出血です。
胃潰瘍ができたところに運悪く血管が顔を出していると、水道の蛇口をひねったようにドバーッと大量出血し、出血性ショックをきたし、 倒れることがあります。
なぜ、胃潰瘍ができるのでしょうか?
ストレス、睡眠不足、お酒、タバコ…。
あなたはいくつ心当たりがありますか?
最近、注目される原因として、ヘリコバクター・ピロリ菌(以下ピロリ菌)があります。
ヘリコプターではありません。
胃の中は強酸性の世界なので生息する菌などない、と考えられてきました。
ところがピロリ菌が最近になって発見され、これが潰瘍発生の一因ではないか、となったわけです。
このピロリ菌は細菌ですから抗生物質が効くわけです。
平成12年11月から保険適応になりましたから、潰瘍がなかなか治らない方や、薬を飲むと良くなるが止めるとすぐ再発する方は、ぜひ、抗生物質を飲んでピロリ菌をやっつけましょう(除菌療法)。
除菌療法に加えて、強い制酸剤であるプロトンポンプインヒビター(PPI)、H2プロッカーが開発されましたので、開腹手術をしなくとも、内科的な内服治療で治せるようになったわけです。
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